ブランド鑑定士とは?仕事内容や資格を解説 | リユース・リサイクル・買取業界専門の転職サービス リユース転職

ブランド鑑定士とは?仕事内容や資格を解説

2025.03.16

ブランド鑑定士とは?仕事内容や資格を解説

ブランド鑑定士とは、高級ブランド品の真贋※を見極め、その市場価値を正しく判断する専門職です。近年はリユース市場の拡大に伴い、正確で信頼性の高い査定スキルへのニーズが一段と高まっています。環境省の報告によると、2023年のリユース市場規模は3兆1,227億円に達し、2030年には約4兆円に拡大すると予測されています。こうした市場の成長も、ブランド鑑定士の役割がますます重要になっている背景のひとつです。

この記事では、ブランド鑑定士の具体的な仕事内容や求められるスキル、必要な資格、年収の目安、さらには未経験から目指すためのステップについて詳しく解説します。これからブランド鑑定士を目指したいと考えている方や、リユース業界に興味をお持ちの方にとって、キャリア選択の参考となる内容をご紹介します。

※真贋(しんがん):ブランド品などが本物か偽物かを見極めることを指します。リユース業界では、商品の価値を正しく判断するために欠かせない重要なスキルとされています。

出典:環境省『循環経済の推進に向けた取組』

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ブランド鑑定士とは?

ブランド鑑定士とは、高級ブランド品の真贋を見極め、その市場価値を適切に査定する専門職です。
主にリユース業界や買取専門店で活躍し、消費者が安心してブランド品を売買できる環境を支えています。

近年はEC市場の拡大やデジタル技術の進化により、オンラインでの査定や販売が増加し、ブランド鑑定士の役割もさらに重要になっています。
転職市場においてもニーズが高まっており、未経験からキャリアをスタートできるチャンスが広がっています。スキルを磨くことで、長期的に活躍できる職種です。

ブランド鑑定士の仕事内容は?

ブランド鑑定士の仕事は、単にブランド品を査定するだけではありません。真贋判定から市場価値の査定、買取業務や販売戦略の立案まで、幅広いスキルが求められる専門性の高い職種です。

ここでは、ブランド鑑定士が日々どのような業務を行っているのか、その役割と重要性について詳しく解説していきます。

ブランド品の真贋を見極める

ブランド品の鑑定において、最も重要な役割を担うのが真贋の判定です。
ブランドごとに異なる素材や縫製技術、刻印の特徴を正確に把握し、偽物と本物を見極める力が求められます。

近年は精巧な偽造品も増加しており、AI技術を活用した鑑定システムの導入が進んでいます。
熟練したブランド鑑定士は、豊富な経験と蓄積されたデータをもとに、細部まで丁寧にチェックしながら、より高い精度で判定を行っています。

市場価値の査定と価格設定

ブランド品の価値は、需要と供給のバランスやトレンド、商品の状態によって大きく変動します。
ブランド鑑定士は、最新の市場データを分析し、適正な査定価格を導き出す役割を担います。特に、ブランドバッグや高級腕時計、スニーカーなどは、モデルや生産年によって市場価値が大きく変動します。

人気ブランドや限定モデルでは、発売直後からプレミア価格がつくこともあり、常に市場動向を把握しておくことが欠かせません。特に限定モデルや人気シリーズでは、発売直後からプレミア価格がつくこともあり、リアルタイムで市場データをチェックしながら価格設定を行うことが重要です。
近年では、売上や流通データに基づいて判断を行うデータドリブンな価格設定が主流となり、AIを活用した自動査定ツールの導入も広がっています。

買取業務と販売戦略をおこなう

ブランド鑑定士の仕事は、単に真贋を見極めるだけにとどまりません。
買取交渉や販売戦略の立案にも関わり、店舗やECサイトでの販売動向を分析しながら、どのアイテムが高値で売れるかを見極めます。

最近では、SNSを活用したマーケティングやライブコマースの拡大により、デジタル施策と連動した販売戦略の重要性が高まっています。たとえば、Instagramでの新入荷商品の告知や、X(旧Twitter)を使ったキャンペーン告知、YouTubeやTikTokを活用したライブ販売などが挙げられます。リアルタイムで商品の魅力を伝えたり、フォロワーとの双方向のコミュニケーションを通じて信頼関係を築いたりする取り組みが広がっています。

ブランド品の再販市場も年々成長しており、消費者ニーズを的確に捉えた戦略づくりが、より一層求められるようになっています。

リユース業界におけるブランド鑑定士の重要性

リユース市場は年々拡大しており、とくにブランド品の取引は国内外で活発に行われています。

ブランド鑑定士は、この市場の健全な運営を支える重要な存在です。消費者の信頼を得るためには、鑑定精度の向上と透明性のある取引が欠かせません。

ECや海外マーケットでの需要が高まるなか、オンライン査定や海外向け販売に対応できる知識を持つ鑑定士へのニーズも広がっています。実際に、日本のリユース企業がアジア圏や欧米市場に向けた直営店舗や越境ECサイトを展開し、海外消費者への販売強化を進めています。

今後は、デジタル技術を活用したリモート査定や、ブロックチェーン※による鑑定履歴の管理など、新たな技術導入が進み、ブランド鑑定士の活躍の場もさらに広がっていきます。

※ブロックチェーン:取引データを改ざんできない形で記録・管理できる技術です。ブランド品の鑑定履歴をブロックチェーン上に保存することで、鑑定結果の信頼性を高め、消費者が安心して取引できる環境づくりに役立っています。

ブランド鑑定士になるには?

ブランド鑑定士を目指すには、専門知識の習得と実務経験を積み重ねることが大切です。ここでは、必要なスキルや資格、未経験からのキャリアステップについてご紹介します。

必要な資格やスキルは?

ブランド鑑定士になるために必須の国家資格はありませんが、専門知識やスキルを証明できる民間資格はいくつか存在します。あわせて、実務経験を積みながら知識を深め、リユース業界やブランド市場のトレンドを正しく理解する力も求められます。

また、鑑定スキルに加えて、デジタルツールの活用や市場分析の力も必要とされるため、幅広いスキルをバランスよく身につけていくことが大切です。

鑑定に役立つ資格一覧

ブランド鑑定士としての専門性を高めるために、役立つ資格をご紹介します。

  •  AACD協会基準判定士
     リユース市場における適正な取引を推進する団体で、信頼できる流通を支える役割を担っています。
  • JBS(日本ブランド鑑定士協会)
     日本国内でブランド品の真贋判定技術を専門的に学べる資格。リユース業界でも注目されています。
  • GIA(Gemological Institute of America)
     宝石や貴金属の鑑定に関する国際的に認められた資格。世界中で高い評価を受けています。

これらの資格を取得することで、鑑定士としての信頼性を高めることができ、キャリアの選択肢も広がります。

参照:AACDジャパンジュエリービジネススクールGIA

未経験からでもなれるのか?

未経験からブランド鑑定士を目指すことは十分可能です。ただし、専門知識の習得と実務経験の積み重ねは欠かせません。最初は、リユースショップやECサイトでの買取アシスタント業務などからスタートし、現場で経験を重ねながらスキルを磨いていくのが一般的な道筋です。

最近では、未経験者向けに研修制度を整えている企業も増えており、安心して挑戦できる環境が広がっています。

専門学校や研修制度の活用方法

ブランド品の鑑定スキルを身につけるには、専門学校や企業の研修制度を活用する方法があります。
リユース業界では、現場での実践を重視した独自の研修プログラムを提供している企業もあり、働きながらスキルを磨く環境が整いつつあります。また、オンライン講座や資格取得講座を利用して、時間や場所に縛られずに知識を深める選択肢も広がっています。
こうした取り組みを通じて、未経験からでも無理なくスキルアップを目指すことが可能です。

ブランド鑑定士の適性とは?

ブランド鑑定士として活躍するためには、単にブランド品に詳しいだけではなく、繊細な観察力や市場を読む分析力が必要になります。

ここでは、鑑定士に求められる具体的な適性について、順に見ていきます。

細かい部分まで確認する観察力

ブランド品の真贋を見極めるには、細部にわたる注意深い観察力が欠かせません。縫製の仕上がりや素材の質感、刻印の位置など、ブランドごとに異なる特徴を正確に見抜く力が求められます。とくに近年は偽造技術の精巧化が進んでおり、経験を重ねながら観察力を磨く姿勢がますます重要になっています。

AI技術による画像認識や機械学習の導入も進み、偽造品の検出精度は向上していますが、細かな違和感を見抜く最終判断は、やはり鑑定士自身の目と経験に支えられています。

ブランド品に対する知識の深さ

ブランド鑑定士には、各ブランドの歴史や特徴、モデルごとの違いに関する深い知識が求められます。過去に発売された限定モデルや希少なラインナップを把握しておくことで、より正確な鑑定が可能になります。
また、業界のトレンドや市場動向を常にキャッチアップし続ける姿勢も欠かせません。リアルタイムな情報を踏まえて判断できる力が、信頼される鑑定士への第一歩となります。

価格変動を見極める分析力

ブランド品の市場価格は、流行や需要、経済動向によって大きく変わります。鑑定士には、過去のデータや最新の市場情報をもとに、適正な価格を見極める力が求められます。

近年では、AI技術を活用したデータ分析も進んでおり、テクノロジーを取り入れた価格設定の精度向上が期待されています。とはいえ、最終的な判断には鑑定士自身の経験と知識が欠かせず、人の目で市場の動きを読み取る力も引き続き重要です。

ブランド鑑定士の年収やキャリアパスは?

ブランド鑑定士として働くうえで、年収やキャリアパスは多くの方が気になるポイントです。実際には、経験やスキル、働く環境によって収入やキャリアの広がり方もさまざまです。

ここでは、ブランド鑑定士の平均年収やキャリアアップの方法について詳しく紹介していきます。

ブランド鑑定士の平均年収は?

ブランド鑑定士の平均年収は、経験や勤務先によって大きく異なります。

未経験者の場合は、年収300万円前後からスタートすることが一般的ですが、経験を積むことで500万円以上を目指すことも可能です。大手リユース企業や専門鑑定機関では、高度な鑑定スキルを持つシニア鑑定士が年収800万円以上を得ているケースもあります。

近年はEC市場の拡大により、オンライン査定を行う企業も増えており、年収アップのチャンスも広がっています。

経験年数や職場による給与の違い

経験年数が増えるにつれて鑑定スキルが磨かれ、それに伴い給与も上がっていきます。
例えば、経験3年ほどの中堅鑑定士では年収400万円以上、10年以上のベテラン鑑定士では600万円以上となるのが一般的です。
また、リユースショップ、EC企業、オークションハウスなど、勤務先によって待遇にも違いがあり、高級ブランド専門の企業では比較的給与水準が高くなる傾向があります。

キャリアアップの方法とは?

ブランド鑑定士として成長していくためには、スキルアップとキャリアの広がりを意識することが大切です。ここでは、キャリアアップの具体例を紹介します。

シニア鑑定士や管理職への昇進

ブランド鑑定士のキャリアアップとして、シニア鑑定士や管理職への昇進があります。シニア鑑定士は高度な真贋判定スキルを持ち、買取価格の決定や新人育成にも関わります。管理職としては、鑑定部門の責任者や店舗マネージャーとして活躍し、組織の運営にも関与することが求められます。企業によっては、成果に応じたインセンティブ制度を導入しているところもあり、スキルと実績次第で高収入が期待できます。

海外市場での活躍の可能性

ブランド品のリユース市場は、国内だけでなく海外でも成長を続けています。特にアジア市場では、日本の中古ブランド品に対するニーズが高まっており、現地での鑑定業務や輸出ビジネスに携わる機会も広がっています。海外バイヤーと連携し、グローバルな視点でブランド品の流通を支えることで、キャリアの可能性を大きく広げることができます。語学力を磨くことで、さらに活躍のフィールドを広げられます。

未経験からブランド鑑定士を目指すには?

未経験からブランド鑑定士を目指すことは十分可能です。ここでは、求人の探し方や応募のコツ、スキルを磨くための方法など、実践的なステップについて紹介していきます。

求人の探し方と応募のコツ

ブランド鑑定士として働くためには、まず求人情報をしっかり集めることが大切です。リユース業界の求人は、転職サイトや企業の採用ページ、リユース業界専門の求人サイトなどで探すことができます。未経験歓迎の求人も多く、特に研修制度が整っている企業を選べば、スムーズに業界に飛び込むことが可能です。さらに、ブランド買取企業やオークション会社、EC企業の採用情報も視野に入れると、選択肢がより広がります。

未経験歓迎の求人が多い業界とは?

リユース業界全体では、ブランド品の買取や販売を行う企業が、未経験者を積極的に採用しています。特に、大手リユースショップやECプラットフォームを展開する企業では、研修制度が充実しており、未経験からでも安心してスタートできる環境が整っています。

近年は、店舗での勤務だけでなく、オンライン査定を取り入れる企業も増えており、自宅で働けるチャンスも広がっています。ブランド品のリセール市場が拡大を続けるなか、特定のブランドやアイテムに特化した専門鑑定士へのニーズもますます高まっています。

採用されやすい志望動機の書き方

志望動機を書くときは、ブランド品への興味や、鑑定士として成長したいという気持ちをしっかり伝えることが大切です。たとえば、ブランドの歴史や特徴を学ぶことが好きで、その知識を活かして正確な査定ができるようになりたいといった具体的な理由を盛り込むと、より好印象につながります。

あわせて、デジタル技術の活用や市場分析への関心をアピールすると、企業側に将来性を感じてもらいやすくなります。さらに、実際に店舗を訪れたり、市場調査を行った経験を志望動機に取り入れると、熱意や意欲がより強く伝わります。

面接でアピールすべきポイント

面接では、ブランド品に関する知識だけでなく、観察力や分析力をアピールすることが大切です。未経験者であっても、新しい知識を積極的に学ぼうとする姿勢や、細かな部分に注意を払える力が評価されます。

あわせて、リユース業界の成長や、デジタルツールを活用した鑑定、EC市場の動向に関心を持っていることを伝えると、業界理解への意欲もアピールできます。具体的な事例を交えて話すことで、より説得力のある印象を残すことができます。

スキルを磨くための学習法

ブランド鑑定士を目指すうえで、スキルアップは欠かせません。特に未経験からスタートする場合は、知識を深めながら実践力を身につける工夫が重要です。ここでは、スキルを磨くために役立つ学び方や、現場経験を積む方法について紹介していきます。

オンライン講座や資格取得の活用

ブランド鑑定士を目指すにあたって、まずはリユース業界やブランド品の基礎知識を身につけることが大切です。未経験の方に役立つ資格をご紹介します。

  • リユース検定(日本リユース業協会)
     リユース業界全般の基礎知識が学べる検定です。ブランド品に限らず、中古市場に関わる幅広い知識が身につくので、業界理解を深めたい方に向いています。
  • JBS認定資格(日本ブランド鑑定士協会)
     ブランド品の真贋判定に特化したスキルを学べる資格です。バッグや時計などの実務に直結する知識が中心なので、これからブランド鑑定士を目指す方にぴったりです。
  • ファッションビジネス能力検定(FBA)
     ブランドの歴史やマーケティング、市場トレンドについて幅広く学べる検定です。ブランド品の鑑定に必要な「背景知識」を強化したい方におすすめです。

これらの資格を活用しながら、少しずつ実務経験を積み重ねていけば、未経験からでもブランド鑑定士としてキャリアを築いていくことができます。

参照:リユース検定JBS認定資格ファッションビジネス能力検定

現場経験を積むためのインターンシップ

未経験からブランド鑑定士を目指すなら、インターンシップやアルバイトを活用して実務経験を積むのが効果的です。ブランド買取店やリユース企業でのインターンでは、実際の鑑定作業を間近で学びながら、知識とスキルを実践的に磨くことができます。現場経験は転職時の大きなアピールポイントにもなり、採用の可能性を高める武器になります。最近では、店舗実習を積極的に行う企業も多く、実務経験を通じて即戦力としての力を磨くことができます。

業界の最新情報を学ぶ方法

ブランド品の市場は常に変化しているため、最新情報をキャッチアップすることが大切です。業界ニュースや市場レポートを定期的にチェックしてトレンドを把握することで、より正確な査定につながります。

また、SNSやオンラインフォーラムを活用して、ブランド品の動向をリアルタイムで学ぶのも有効です。さらに、オークション市場や海外ブランドの動きにも目を向けることで、グローバルな視点を養い、鑑定スキルを一層高めることができます。

まとめ

ブランド鑑定士は、ブランド品の真贋を見極めるだけでなく、市場価値を的確に判断し、適切な査定を行う重要な役割を担っています。未経験からでもチャレンジできる職種であり、資格取得や現場経験を重ねることで、着実にキャリアアップを目指すことができます。

リユース業界の成長とともに、ブランド鑑定士のニーズも高まっており、デジタル技術を活用した新たな鑑定手法も注目されています。市場の最新動向をキャッチしながら、実務経験を積み重ね、自分自身の専門性を磨いていくことが大きな成長につながります。