
フリマアプリやリユース専門のECサイトの普及により、中古品をオンラインで売買する「リユースEC」は、リユース業界における主要な販売チャネルのひとつとして定着しています。一方で、一般的なECサイトとは異なる特有の難しさがあり、店舗との連携も重視されています。
この記事では、リユースECの基本的な仕組みから、一般的なECとの違い、市場規模、そしてリユースECに関わる仕事内容についてわかりやすく解説します。
目次
リユースECとは
リユースECとは、中古品・リユース品をインターネット上で売買する仕組みのことです。代表的な形として、企業が運営する通販サイトで消費者に販売する「BtoC型」と、フリマアプリなどを通じて個人同士が売買する「CtoC型」があります。
ブックオフやセカンドストリート、コメ兵といったリユース企業の多くは、実店舗に加えて自社ECサイトを運営しており、店舗で買い取った商品をオンラインでも販売する体制を整えています。フリマアプリの普及もあり、リユース品をオンラインで購入する手段は広がってきました。
リユースECは買取・在庫管理・物流までつながる
ECを活用することは、単に「販売の場が増える」というだけにとどまりません。ECを通じて全国の顧客に販売できるようになることで、販路の選択肢そのものが広がります。
こうした販路の広がりは、買い取った商品の販売方法にも幅をもたらします。リユースECは販売だけで独立しているのではなく、その前段階にある買取・査定や、その後の在庫管理・物流ともつながっている点が特徴です。
リユースECが一般的なECと異なる点
リユースECは、家電や衣料品などを扱う新品中心の一般的なECサイトと共通する部分もありますが、中古品ならではの特徴があります。
一般的なECとの比較
| 観点 | 一般的なEC(新品中心) | リユースEC |
|---|---|---|
| 商品の在庫 | 同じ商品を複数在庫できる | 一点ごとに状態が異なり、同じ状態の商品を継続的に仕入れにくい |
| 商品情報 | メーカー提供の仕様・画像を使える | 採寸・撮影・状態説明を1点ずつ作成する |
| 価格設定 | 同一商品の市場価格を比較しやすい | 状態・付属品・相場などを踏まえ一点ごとに値付けする |
| 仕入れ | メーカー・卸などから商品を仕入れるケースが多い | 消費者などから買い取った商品を販売するケースが多い |
「一点もの」ならではの難しさ
特に大きな違いは、リユースECの多くが「一点もの」を扱う点です。同じブランドの同じアイテムでも、状態や付属品の有無によって一つひとつ商品ページを作る必要があり、採寸・撮影・状態説明といった作業が欠かせません。新品であれば同一商品の市場価格を比較しやすいのに対し、リユース品は状態・付属品・相場などを踏まえて一点ごとに価格を判断する必要があります。
実店舗とECの両方で同じ商品を扱う場合は、店舗で売れた商品がECサイト上に残ったままにならないよう、在庫情報を速やかに連携することも欠かせません。一点物が中心のリユースECでは、同じ商品を二重に販売してしまわないための在庫管理も重要な業務のひとつです。
リユースEC市場の現状
リユースECは、国内のリユース市場全体が拡大する中で、すでに大きな市場規模を形成しています。
リユース市場全体は15年連続の拡大
リユース経済新聞社の調査によると、2024年の国内リユース市場全体は3兆2,628億円で、前年比4.5%増、2009年から15年連続の拡大となりました。
ネットリユース市場は約1.9兆円規模
その中で、「ネットリユース市場」は1兆9,313億円と、約2兆円規模の市場となっています※1。ネットを通じた売買は、すでにリユース市場の主要な販売チャネルのひとつとして定着しています。また、CtoC市場は1兆3,469億円という規模になっています※1。
こうした中、ECと実店舗を組み合わせた販売の取り組みも見られます。
リユースECでも店舗が重要な理由
EC化が進む一方で、リユース業界では実店舗の役割が失われているわけではありません。その背景には、中古品ならではの「信頼」に関する課題があります。
フリマアプリで感じる不安とトラブル
同調査が紹介するデータによると、フリマアプリの利用者のうち30.9%が何らかのトラブルを経験したと回答しており、利用時に「とても不安」「ある程度不安」を感じている人を合わせると72.2%にのぼります。個人間取引では、商品の状態や真贋を非対面で確認しなければならない難しさが、こうした不安につながっていると考えられます。
ECと店舗を組み合わせる企業の動き
こうした中古品特有の不安に対して、専門スタッフによる査定や状態確認、購入前に実物を確認できる店舗の存在は、売却者・購入者双方の安心につながります。実際に、大手企業でもこうした取り組みが見られます。ゲオホールディングスでは、ECサイトで商品を探し、指定した店舗で実物を確認・試着したうえで購入できる「お取り寄せサービス」を展開しており、2026年3月期はEC関与売上高が前期比9.1%増の319億円、そのうちリユースEC単体では同12.5%増の275億円となっています。
コメ兵でも、オンラインストアの商品を店舗に取り寄せ、実物を確認・試着したうえで購入できるサービスを展開しています。同社の事業部長は取材に対し、取り寄せ経由の購入は成約率が約50%にのぼり、客単価もEC単体での購入と比較して約3.6倍になると明かしています。ECだけで完結させるのではなく、店舗という「実物を確認できる場所」を組み合わせることが、リユースならではの強みになっているようです。
リユースECに関わる仕事内容
リユースECの特徴のひとつは、買取から販売までの一連の流れが、複数の職種や業務によって支えられていることです。

買取から販売までの流れ
たとえば、店舗やオンラインで商品を買い取り、査定を行うところから始まり、商品を確認・登録してECサイトへ出品します。その後は在庫を管理しながら、店舗や物流部門と連携して販売していく、という流れです。
具体的な業務としては、商品の状態確認・検品、撮影・採寸、商品登録・説明文作成、販売価格の調整、在庫管理、カスタマー対応、店舗・物流部門との連携といった工程が挙げられます。これらは別々の担当者が分業する場合もあれば、一人が複数の工程を兼ねる場合もあります。
リユースECでは幅広い経験を活かせる
ECを活用する企業では、買取・商品管理・物流・店舗・Webといった各領域が密接に関わります。そのため、特定の業務だけでなく、複数の工程への理解が活かされる仕事もあります。
実際に『リユース転職』に掲載されている求人を見ると、EC運営単体の募集だけでなく、EC運営と商品管理・カスタマーサポートを兼ねるポジションや、買取・店舗運営とEC運営を組み合わせたポジションなど、幅広い形の求人が見られます。
これまでの販売・接客経験やEC経験を活かせる求人もあるため、自分の経験を活かせるポジションがないか、求人を見ながら確認してみるのも一つの方法です。
まとめ

リユースECは、中古品ならではの一点もの・状態説明・価格設定といった特徴を持ちながら、リユース業界の主要な販売チャネルとして定着しています。ネットリユース市場は約1.9兆円という大きな市場規模となっており、店舗や物流との連携も、リユースECを考えるうえで重要なポイントです。
フリマアプリの利用に不安を感じる人が多いというデータからも分かるように、リユース業界では「信頼」を支える存在として、実店舗や専門スタッフの役割も引き続き重要だと考えられます。リユース業界には、店舗での買取・販売だけでなく、EC運営、商品管理、物流、事業立ち上げなど、さまざまな仕事があります。
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