
リユース市場が成長を続けるなか、業界の健全な発展や社会的な信頼の向上に取り組んでいるのが、一般社団法人日本リユース業協会です。会員企業への情報提供だけでなく、行政への政策提言、市場データの公表、事業者認定制度の整備など、幅広い活動を行っています。
本記事では、日本リユース業協会が設立された背景や主な活動、会員になるメリット、加盟企業について解説します。リユース業界への転職を考えている方が、協会の情報を企業研究にどう生かせるかも紹介します。
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日本リユース業協会とは

日本リユース業協会は、リユース業界の透明性の高い健全な発展と、持続可能な循環型社会への貢献を目的とする業界団体です。正式名称は「一般社団法人日本リユース業協会」、略称はJRAAです。
リユース事業者や関連企業が加盟し、行政への政策提言、市場情報の発信、事業者認定、人材育成、会員間の情報共有などに取り組んでいます。(参照:協会概要ページ)
日本リユース業協会が設立された背景
日本リユース業協会は、ある社会的な出来事をきっかけに発足した団体です。ここでは、設立の直接的な引き金となった出来事から、当時業界が抱えていた実務上の課題、その後の自主的な取り組みまで、設立の背景を順に見ていきます。
2006年のPSE問題が設立のきっかけに
日本リユース業協会の設立の背景には、2006年に起きた「PSE問題」があります。これは、2001年に改正施行された電気用品安全法(PSE法)の解釈をめぐり、経済産業省が中古電気製品の販売にも規制がかかるとの見解を示したことから、中古品販売業者や消費者が反対運動を展開し社会問題化した出来事です。
この問題を受けて、行政との交渉窓口となる業界団体として2009年に日本リユース業協会が発足しました。設立時は任意団体で、ハードオフコーポレーション・アップガレージ・パシフィックネット・コメ兵・ゴルフ・ドゥ・ゴルフパートナー・トレジャー・ファクトリー・フォー・ユーの上場企業8社が名を連ねました。2017年4月には一般社団法人へと組織を移行しています。
つまり、「業界としてまとまった発信窓口がなければ、法改正や規制解釈が事業者の実情を踏まえないまま進んでしまいかねない」という危機感が、協会設立の原点にあったといえます。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2001 | 電気用品安全法(PSE法)施行 |
| 2006 | 中古電気製品もPSEマークが必須との解釈が示され「PSE問題」として業界に波及 |
| 2009 | 上場企業8社を中心に「日本リユース業協会」設立(任意団体) |
| 2017 | 一般社団法人化 |
古物営業法の運用も当時の課題の一つ
リユース業を営むには、古物営業法に基づく公安委員会の許可が必要です。かつては営業所を置く都道府県ごとに許可を取得する仕組みだったため、複数の都道府県に店舗を展開する事業者にとって、許可手続きや各地域での実務対応が負担になりやすい状況がありました。
その後、2020年4月に改正古物営業法が全面施行され、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会の許可を受けることで、ほかの都道府県にも営業所を設置できる仕組みに改められています。(参照:警察庁「古物営業・質屋営業について」)
ただし、本人確認、取引記録、不正品の申告など、古物営業に関する法令遵守が重要であることに変わりはありません。協会がリユースハンドブックや自主的な基準を通じて実務知識を共有する意義は、現在も大きいといえます。古物商の資格についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎古物商の資格は難しい?取得方法と実務での活かし方を解説
自主的な基準や認定制度を整備する意義
業界側から一定の基準を示す動きも、協会設立当初からの活動の柱になっています。日本リユース業協会は、良質なリユース品の流通を促進する施策の推進や、優良かつ透明性の高い事業者の育成を目指した認定制度の制定・公表を活動内容として掲げています。また、リユース営業に必要な法律知識やコンプライアンス営業の要点をまとめた「リユースハンドブック」を刊行しており、これは協会独自の実務基準を業界内で共有する役割を担っています。
複数都道府県にまたがる許可制度が見直された現在も、協会が自主的な基準や認定制度という形で「業界としての標準」を示し続けることは、事業者の法令遵守や消費者・求職者からの信頼向上につながると考えられます。
日本リユース業協会の法人格・運営体制
日本リユース業協会は、2009年に任意団体として設立され、2017年4月に一般社団法人へ移行しました。会長、副会長、専務理事、理事、監事などで構成され、理事会や総会を通じて事業計画や活動方針を決定しています。協会は、特定の商品カテゴリーや企業の枠を超え、リユース業界全体の健全な発展を目指して活動しています。
また、必要に応じて委員会を設け、業界の課題や特定のテーマについて検討しています。協会概要や会員企業、主な活動などは公式サイトで公開されています。
日本リユース業協会の主な活動
日本リユース業協会の活動は、大きく4つに整理できます。

市場調査・情報発信
リユース市場に関する情報を収集・発信し、業界の現状や課題を社会に伝えています。例えば、正会員企業の総従業員数を集計・公表するなど、環境省の市場調査データとあわせて業界の実態を伝える取り組みを行っています。市場データは、会員企業の経営判断だけでなく、行政による施策の検討や、求職者の業界研究にも役立ちます。
勉強会・交流会
会員企業向けのセミナーや意見交換の機会を設け、業界動向や実務に関する情報を共有しています。他社とのネットワーキングを通じて、新たなビジネスパートナーシップが生まれることもあります。
行政との連携・政策提言
行政や関係団体との意見交換を通じて、リユース市場の健全な発展に向けた政策提言や啓発活動に取り組んでいます。環境省は2026年3月に「リユース等の促進に関するロードマップ」を策定しており、リユース促進は現在も政策上の重要テーマです。(参照:環境省「リユース等の促進に関するロードマップの策定について」)
事業者認定・人材育成
優良かつ透明性の高い事業者を対象とした認定制度を運用し、認定事業者を公表しています。また、リユースハンドブックやリユース検定を通じた人材育成にも取り組んでおり、検定合格者には「リユース営業士」の資格が授与されます。(参照:日本リユース業協会「リユース検定」)
日本リユース業協会に加入するメリット
日本リユース業協会に加入する主なメリットの一つは、業界の最新情報や実務に関する情報を得られることです。例えば新規参入企業であれば、古物営業法の運用や店舗運営に関する情報交換ができるため、複数店舗を展開する際の実務負担を減らしやすくなります。
日本リユース業協会に加盟する主なメリット
加盟によって得られるサポートは、大きく5つに整理できます。それぞれが事業運営の改善や信頼性の向上につながり、企業と求職者の双方にメリットをもたらします。

こうした取り組みは、法令対応や人材育成の強化に役立ち、採用・企業広報に活用できる場合もあります。求職者にとっても、加盟企業の姿勢を知る手がかりになります。協会は会員向けに、業界情報の共有、法令違反の防止に向けた啓発、人材育成、交流機会の提供などを行っており、新規参入企業にとっては業界の主要プレイヤーや最新動向を把握し、協力関係を築けるパートナー企業を見つける機会にもなります。
日本リユース業協会にはどんな企業が加盟している?
日本リユース業協会には、家電・ファッション・ブランド品・ゴルフ用品など幅広い分野のリユース業者が加盟しています。2026年4月時点の会員企業数は、正会員36社、準会員7社、研究会員20社、賛助会員40社の計103社です。2009年の設立以来、初めて100社を超える規模となりました。加盟企業の詳細は会員一覧ページで確認できます。(参照:会員一覧)
正会員には、ブックオフグループホールディングス、ハードオフコーポレーション、コメ兵ホールディングス、トレジャー・ファクトリー、ゲオホールディングス、メルカリなど、リユース業界を代表する企業が名を連ねています。実店舗を展開する総合リユース企業から、ブランド品・衣料品・家電・ゴルフ用品を扱う企業、オンラインプラットフォームを運営する企業まで、事業形態は多岐にわたります。
なお、リユース事業者以外の立場から業界を支える賛助会員も参加しており、本記事を運営する『リユース転職』(株式会社AMBソリューションズ)も賛助会員の一社です。このように大手企業から専門店まで幅広い企業が加盟していることは、日本リユース業協会が業界横断的な団体であることを示しています。
日本リユース業協会への加盟方法
日本リユース業協会への加盟を検討する際に気になるのが、会員区分や条件、実際の申し込みの流れです。ここでは、4つの会員区分から加入条件、申し込みから入会までの手続きを順に解説します。
4つの会員区分
日本リユース業協会の会員区分は、正会員・準会員・研究会員・賛助会員の4種類です。正会員・準会員・研究会員の区分は主に事業規模によって決まり、入会時には理事会による審査が行われます。賛助会員は、リユース事業者に限らず、リユースビジネスを理解し、協会の活動に協力するパートナー事業者が対象です。
加入条件と費用
日本リユース業協会では、リユース事業者や、協会の活動に賛同する関連事業者を対象に会員を募集しています。会員区分によって対象や基準が異なり、入会には理事会による審査が必要です。
加盟には理事会による審査があり、承認後に入会金と年会費を支払うことで正式に入会となります。会員区分や費用の詳細は、協会事務局へ問い合わせて確認できます。
入会までの流れ
入会申し込み後、年4回開催される理事会で審査・承認が行われ、原則として承認翌月の1日から入会となります。手続きや費用の詳細は、公式サイトまたは協会事務局でご確認ください。(参照:入会案内)
日本リユース業協会の情報を転職活動に生かす方法
ここまで紹介してきた協会の情報は、そのままリユース業界への転職活動にも活用できます。企業選びの視点から面接での話し方まで、4つの観点から具体的な生かし方を紹介します。
加盟企業であることだけで判断しない
協会への加盟は企業研究の参考になりますが、加盟していることだけで「必ず働きやすい企業」「安心できる企業」と判断することはできません。実際に応募する際は、仕事内容や給与、休日、評価制度、教育体制、離職率、企業文化なども確認することをおすすめします。
コンプライアンスへの姿勢を確認する
協会の事業者認定制度や自主的な基準、人材育成への参加状況は、企業のコンプライアンス意識を知る手がかりの一つになります。ただし、認定や加盟の有無だけでなく、求人情報や面接での説明もあわせて確認することが大切です。
業界研究に活用する
協会が発信する市場情報や政策提言を確認することで、リユース業界が抱える課題や、今後成長が見込まれる分野を把握できます。志望企業がどのカテゴリーや販売チャネルに注力しているかを調べる際にも役立ちます。
志望動機や逆質問に生かす
協会の活動や業界動向を理解しておけば、志望動機に具体性を持たせやすくなります。面接では、「業界の信頼性向上に向けて、御社が取り組んでいることを教えてください」など、企業の方針を深く知るための逆質問にも活用できます。
ただし、協会の情報はあくまで業界全体の動向であり、個々の企業の教育体制や職場の雰囲気までは分かりません。『リユース転職』では、リユース企業の元人事が、求人票だけではわからない企業ごとの実情を踏まえながら、無料でキャリア相談に対応しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 日本リユース業協会に個人で加入できますか?
A. 会員区分ごとに対象が異なります。正会員・準会員・研究会員は主にリユース事業者を対象としており、賛助会員は協会の活動に協力する関連事業者が対象です。個人での加入可否や条件については、協会事務局への確認が必要です。
Q. 日本リユース業協会の会員企業は何社ありますか?
A. 現在、正会員・準会員・研究会員・賛助会員をあわせて100社を超える企業が加盟しています。最新の内訳は、日本リユース業協会の公式サイトでご確認いただけます。(参照:会員一覧)
Q. リユース検定とは何ですか?
A.日本リユース業協会が実施する検定で、リユースハンドブックをもとに、リユースショップの営業実務や法令、コンプライアンスなどの知識を問います。合格者には「リユース営業士」の資格が授与されます。
Q. 協会に加盟している企業なら安心ですか?
A.加盟の有無は企業研究の参考になりますが、それだけで働きやすさや待遇を判断することはできません。求人内容、教育体制、評価制度、企業文化なども確認することが大切です。
Q.日本リユース業協会に加盟していない企業でも応募して問題ありませんか?
A.問題ありません。協会への加盟は企業研究の参考情報の一つですが、加盟していない企業のなかにも、独自の教育制度やコンプライアンス体制を整えている企業はあります。仕事内容、労働条件、研修制度、評価制度、企業文化などを総合的に確認することが大切です。
まとめ
日本リユース業協会は、2006年のPSE問題をきっかけに、業界と行政をつなぐ窓口として2009年に設立された業界団体です。現在は政策提言や市場情報の発信、事業者認定、人材育成などに取り組み、業界を代表する企業も数多く参加しています。
協会の会員一覧や事業者認定、市場情報は、業界研究や企業選びに役立つ情報源です。ただし、加盟の有無だけで企業の良し悪しを判断せず、仕事内容や労働条件、教育体制、企業文化なども含めて確認することが大切です。
『リユース転職』も日本リユース業協会の賛助会員として、業界動向や法令に関する情報を踏まえながら、リユース業界への転職を考える方の企業選びを支援しています。求人紹介や無料キャリア相談も行っていますので、お気軽にご相談ください。
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