【2025年最新】古着の全てがわかる!市場トレンド・高騰理由・選び方完全ガイド
2025.01.14
古着は単なる中古衣料品ではなく、一つひとつに独自のストーリーと魅力を持つ「生きた服」です。大量生産される現代のファッションとは異なり、古着は個性と歴史を体現する特別なアイテムなのです。環境への配慮や持続可能な消費への意識が高まる中、古着は現代のファッションシーンにおいて新たな価値観を提示しています。そんな古着の市場やその仕事について紹介していきます。
目次
古着市場の驚くべき成長
世界経済フォーラム(World Economic Forum)のウェブサイトに掲載された記事によると、2023年、グローバルな中古衣料品(古着)の売上高は2,110億ドル(約33兆1,947億円)に達しました。これは前年比19%増という驚異的な成長率を示しています。2024年の実績では古着売上高がファッション業界の10%を占める見込みです。さらに2027年までに、世界の古着売上は3,500億ドルに達する可能性があるとされています。
日本国内に目を向けると、2023年のファッションリユース市場規模は1兆1,500億円(前年比14%増)に達しました。この成長は、フリマアプリの普及によるリユース利用者数の増加や、古着ブームなどの要因によるもので、今後も伸長する見通しです。
アパレル企業の取り組み
多くのアパレル企業が、サーキュラーエコノミー(循環経済)及び循環型ファッションの実現に向けて、自主的に不要衣類を回収し資源としての再利用に取り組んでいます。これらの取り組みは、環境負荷の低減と循環型ファッションの推進に貢献しています。
国内アパレル業界でも、持続可能性への取り組みが急速に広がっています。特に注目すべきは、大手企業による循環型ファッションへの挑戦です。今回はユニクロとベイクルーズの取り組みを紹介します。
RE.UNIQLO
ユニクロは「RE.UNIQLO」という取り組みを通じて、服の循環利用を推進しています。この取り組みは、「REDUCE」(廃棄削減)、「REUSE」(再利用)、「RECYCLE」(再生利用)の3Rを軸に展開されています。
具体的には、全国の店舗に設置された回収ボックスで使用済みの衣料品を集め、それらを難民支援や災害支援に活用したり、新たな商品の原料として再利用しています。
出典:RE.UNIQLOサイト
CIRCULABLE SUPPLY
ベイクルーズグループは「CIRCULABLE SUPPLY」というリユースショップを展開しています。このショップの特徴は、社員から集めた私物を販売し、その売上の一部を提供者に還元するという独自のシステムにあります。これにより、アパレル業界のプロフェッショナルが使用していた高品質な商品が、適正な価格で消費者に提供されるという循環が生まれています。
さらに、CIRCULABLE SUPPLYは古着店「LIOT」とのコラボレーションも行っており、ヴィンテージウェアやリメイクアイテムを提供することで、より多様な循環型ファッションの選択肢を消費者に提示しています。
出典:BAYCREW’S STOREサイト
最近の冬のトレンド
冬の古着ファッショントレンドとして注目されているのが「グランパコア」です。これは、おじいちゃんのクローゼットから引っ張り出したようなレトロ感のあるアイテムを取り入れたスタイルです。特徴的なアイテムには次のようなものがあります。
- ・ボックスシルエットのジャケット
- ・ツイードやウールなどの温かみのある素材
- ・タックの入ったゆったりしたスラックス
- ・ブラウンカラーのアイテム
グランパコアは、ストリートなカジュアルファッション全盛から、クラシックへの回帰を示すトレンドといえます。
古着の価値を決める5つの重要ファクター
古着はいくつかの要素が組み合わさることで、価値が決まります。主に5つがあげられます。
- 希少性:生産数が限られているアイテム
- 状態の良さ:保存状態が優れているもの
- ブランド:有名デザイナーやヴィンテージブランド
- 年代:特定の時代のアイテム
- デザイン性:独自の魅力を持つスタイル
アパレルバイヤーが厳選した商品2選
アパレルバイヤーが厳選した商品2選全国に19店舗展開しているブランド古着の買取・販売店「BRING」のバイヤーに価値あるおすすめ商品を2点紹介してもらいました。
「クロムハーツ×リーバイスのデニムパンツです。ヴィンテージのデニムパンツにクロムハーツのシルバーパーツ、レザークロスパッチを豪華に装飾した特別なアイテムになります。クロムハーツもヴィンテージデニムも、どちらも過去最大級のブームとして盛り上がっており、4年ほど前の発売当初は30万円程度の価格で流通していたものが今では約5倍の150万円程に跳ね上がるほど資産性が高まっています。そんな非常に高額な売価でありながらも、世界中のセレブ著名人もこぞって着用している憧れのアイテムで、二次市場では即完売が相次ぐほどの人気ぶりです。」
「もう一点は、ルイ・ヴィトンのキーポル・アトリエールのレザーショルダーバッグです。キーポルはブランドを代表する定番モデルですが、こちらは2022年FIFAワールドカップ時の限定商品であり、非常に出回りが少ないレアモデルになります。このアイテムのように数年前に限定販売されたレアモデルが、発売時よりもプレミアがついて高価になったり、当時手に入らなかったものが時間を経てお求めやすく手に入ったりするのが二次流通の面白いところですよね。そういった中古市場の魅力を現したアイテムだと思いセレクトさせていただきました。コレクターの方にもおすすめです。」
※2024年11月の取材時点の情報のため、在庫などは直接お店にご確認ください。
鑑定のプロが伝授する5つのチェックポイント
古着を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。まず、鑑定のプロが推奨するチェックポイントを見ていきましょう。
縫製の質
最初に注目すべきは「縫製の質」です。丁寧に縫われた服は、高品質であることが多く、長持ちします。
素材の状態
次に「素材の状態」を確認しましょう。生地が劣化していたり、変色していると、アイテムの耐久性に影響しますので、しっかりチェックすることが必要です。
経年変化の美しさ
また、古着特有の「経年変化の美しさ」も評価ポイントです。時間が経つことで生まれる独特の風合いは、ヴィンテージアイテムならではの魅力です。
オリジナルタグの有無
さらに、「オリジナルタグの有無」も重要な要素です。タグが残っていることで、そのアイテムの真贋を判断しやすくなります。
希少性と歴史的価値
最後に、「希少性と歴史的価値」を考慮しましょう。製造年代や生産数を知ることで、そのアイテムがどれほど貴重かを理解できます。
古着を選ぶときのその他のポイント
これらのポイントに加え、古着選びでは商品の状態を細かくチェックすることも大切です。汚れやダメージ、ボタンやジッパーの状態を確認して、問題がないか確かめましょう。また、サイズにも注意を払いましょう。試着できる場合は必ず行い、オンラインで購入する際はサイズガイドを参考にしてください。返品や交換が可能かどうかも事前に確認しておくと安心です。
デザインについては、トレンドを意識したものを選ぶと良いでしょう。流行に合ったスタイルは長く愛用できます。そして、購入後はクリーニングやメンテナンスにも気を使い、大切な古着を長持ちさせるよう心がけましょう。このようにして、自分だけのお気に入りの古着を見つけることができるでしょう。
古着の高騰理由
なぜ古着は価値が上がり続けているのでしょうか?古着の人気が急速に高まっている背景には、複合的な社会的要因が存在します。
Z世代とミレニアル世代による新しいムーブメント
特に、Z世代とミレニアル世代が、従来のファッション消費とは異なる新たなムーブメントを起こしています。彼らは、画一的な大量生産の服ではなく、個性的なファッションを求める傾向が強く、古着はその欲求を見事に満たしています。
サスティナブルファッションの関心の高まり
同時に、環境問題への意識が高まる中、若い世代を中心に持続可能な消費行動への関心が急速に広がっています。ファストファッションの大量生産・大量廃棄モデルへの批判的な視点が、古着市場の拡大を後押ししているのです。
環境への影響
ファッション業界の温室効果ガス排出量は、高い試算では世界排出量の10%、低い試算でも1.8%を占めています。古着の活用は、この環境負荷を軽減する重要な手段となっています。
さらに、オンラインショッピングの普及により、以前は限られていた古着へのアクセスが格段に容易になったことも、この市場の成長に大きく貢献しています。
特に注目すべきは、持続可能性とコスト面での合理性です。環境負荷を抑えながら、かつ経済的にも賢明な選択肢として、「プレ・ラブ(中古)」衣料が急速に受け入れられつつあります。
SNSによる影響力
他にも、タレントや俳優、インフルエンサーなどの影響力は無視できません。彼らが古着を着用することで、古着がファッションとして「イケてる」という認識が広まり、需要が急増しています。特に、SNSの普及により、これらのセレブリティやインフルエンサーのスタイルが瞬時に拡散され、古着への関心を高めています。
また、古着の希少性も重要な要因です。特定の年代やブランドの製品、限定生産されたデザインなどは、現代では再現が難しく、希少価値が高まっています。この希少性は、コレクターやファッション愛好者にとって重要なポイントとなり、他人と被らない独自のスタイルを求める消費者に支持されています。
フリマアプリや市場の影響
さらに、フリマアプリやせどりの普及により、古着の価格が釣り上がっている現象も見られます。フリマアプリでは、一般的に相場を知らない方が使用していることが多く、SNSなどで人気があるものは通常の販売価格よりも高くで転売できることがあります。これにより、特定の人気アイテムの価格が高騰する傾向があります。
加えて、環境意識の高まりや持続可能な消費への関心も、古着市場の拡大を後押ししています。ファストファッションの大量生産・大量廃棄モデルへの批判的な視点が、古着を選択する一因となっています。
単なる一時的なトレンドではなく、消費者の価値観の根本的な変化を反映した現象と言えるでしょう。
古着市場の課題と展望
このような背景から拡大する古着市場では、以下のような課題が浮かび上がっています。
- 品質管理:大量の古着が流通する中で、品質の維持と管理が重要な課題となっています。
- 真贋問題:ブランド品の偽造品が市場に混入するリスクがあり、鑑定技術の向上が求められています。
- デジタル化:AIやブロックチェーン技術を活用した真贋判定や在庫管理システムの開発が進んでいます。
- 教育と啓蒙:消費者に古着の価値や環境への貢献を伝える取り組みが重要になっています。
- リサイクル技術の進化:繊維のリサイクル技術の向上により、より効率的な資源循環が期待されています。
古着業界で活躍できる職種
こうした古着を扱う仕事についてご紹介します。古着業界は成長市場であり、未経験からでもキャリアアップの可能性が高い分野です。SDGsへの貢献や、独自のスキルを活かせる点も魅力的です。
古着バイヤー
年収:400万円〜800万円
必要なスキル:目利き、市場分析
仕事内容:良質な古着を仕入れる専門職
古着店スタッフ
年収:300万円〜500万円
必要なスキル:接客、商品知識
仕事内容:店頭での販売、商品管理
古着の買取鑑定士
年収:400万円〜700万円
必要なスキル:ブランド知識、真贋判定
仕事内容:特にブランド品や希少アイテムの鑑定を行う
EC運営スタッフ
年収:350万円〜600万円
必要なスキル:デジタルマーケティング、写真撮影、商品管理
仕事内容:オンラインストアの運営、商品登録、受注管理、顧客対応
SNS運用スタッフ
年収:300万円〜550万円
必要なスキル:SNSマーケティング、コンテンツ制作、トレンド分析
仕事内容:各種SNSアカウントの運営、投稿作成、フォロワー獲得、エンゲージメント向上
リペア(修繕)スタッフ
年収:350万円〜600万円
必要なスキル:縫製技術、素材知識、修繕技術
仕事内容:古着の修繕、クリーニング、価値向上のためのリメイク作業
まとめ:古着は単なる服ではない、文化である
古着は環境、ファッション、そして個人の表現を融合させた、現代における新しいスタイルの選択肢です。その魅力は、単なる経済的な価値だけでなく、歴史や文化、そして持続可能性への貢献にあります。
古着市場の成長は、私たちの消費行動や価値観の変化を反映しています。環境への配慮、個性の表現、そして過去の文化への敬意。これらの要素が絡み合って、古着は単なるファッションアイテムを超えた、現代の文化現象となっているのです。
今後も、テクノロジーの進化や消費者意識の変化に伴い、古着市場はさらなる発展を遂げていくでしょう。そして、それは同時に私たちのファッションに対する考え方や、消費のあり方そのものを変えていく可能性を秘めています。
古着は、過去と未来をつなぐ架け橋であり、持続可能な社会への一歩なのです。
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