概要

小売業からの転職を考えている方に向けたコラムです。長時間労働やキャリアの停滞などで悩んでいる方が多い一方で、転職を成功させる人には共通の特徴があります。本記事では、転職を成功に導くためのポイントを5つ紹介。さらに、小売業で培ったスキルが活かせるオススメの業界として、人材業界、サービス業、リユース業界を取り上げ、転職を成功させるための具体的なステップも解説しています。

小売業からの転職を考える背景

小売り業の最大の魅力は、顧客との直接のコミュニケーションを通じて接客スキルを高められることです。日々さまざまな顧客と接し、対応方法や提案力を磨くことができます。そのほかにも、売上目標の達成やマーケティング、商品知識の習得など人によってその魅力は様々です。

一方で、小売り業からの転職を考える背景は以下のようなものが挙げられます。

キャリアアップ・スキルアップの機会を求めて

専門性を深めたい、新たなスキルを習得したい、マネジメント層を目指したいといった、キャリアアップ・スキルアップの機会を求めているというケースがあります。

小売業で培った経験を活かし、マーケティング、商品企画、店舗運営など、より専門的な分野でキャリアを築きたい。複数の店舗を統括するような、より大きな責任のあるポジションに挑戦したいという方もいれば、小売業以外の分野のスキルを習得し、キャリアの幅を広げたいという方もいます。

働き方を変えたい

長時間労働、シフト制勤務など、現在の働き方に不満があり、より安定した勤務体系を求めているケースがあります。

不規則な勤務体系で、プライベートな時間を確保しにくいと感じていたり、出社せずに働けるリモートワークを導入している企業に転職したいという方もいます。ライフスタイルの変化に伴って、仕事とプライベートのバランスを重視したいが現職だと実現しにくいという方もいるでしょう。

その他（給与や人間関係など）

現在の給与に満足しておらず、より高い収入を目指したいといったケースもあります。また、上司や同僚との人間関係にストレスを感じていたり、会社の業績が悪化し、将来に不安を感じているというケースや、会社の方針や価値観に共感できず、モチベーションが低下しているという方もいるでしょう。

転職が成功する人の特徴5選

では、小売業からもし転職をするとしたら、転職を成功させるにはどのようなことを意識すべきなのでしょうか。これまで転職成功してきた人にはいくつか共通した特徴があります。これは単にスキルや経験の問題だけでなく、転職活動に対する姿勢や行動にも大きく影響します。以下に、転職成功者の主な特徴を５つご紹介します。

自己分析ができている

自分の強みや弱み、興味、価値観を理解している人は、適切な職種や業界を選びやすくなります。特に、小売り業からの転職では、自分がどのスキルを活かして他の業界に移るべきかを明確にしていることが重要です。

例えば、「顧客対応が得意」「在庫管理に精通している」など、自身の経験を再評価し、それをどのように次の職場で活かせるかを具体的にイメージできる人が成功しやすいです。

自己PRが上手い

上記とも繋がってきますが、自分の強みを棚卸しした後、具体的な経験（実績）やスキルを魅力的にアピールできる人です。履歴書や職務経歴書だけでなく、面接でも自分の強みを的確に伝えることができる人が多いです。

例えば、小売り業で得た「顧客対応力」や「マネジメントスキル」を、どのように他業種で活かせるかを説明できることは、転職の成否を分けるポイントとなります。

明確な目標とビジョンを持っている

「なぜ転職するのか」「次にどんなキャリアを築きたいのか」という明確な目標を持っている人は、転職活動においてブレずに進めることができます。小売り業から異業種へ転職する場合も、自分がどんな役割で価値を提供できるか、長期的にどのようなキャリアを描いているかがはっきりしている人が成功する傾向にあります。

柔軟性がある

転職活動には不確定要素が多く、思ったように進まないこともあります。成功する人は、そうした状況に柔軟に対応し、計画通りにいかなくても焦らずに次のステップを踏める心構えを持っています。

また、転職先で新しい業務に取り組む際にも、既存のやり方に固執せず、柔軟に新しい環境に適応できる能力が求められます。

積極的な学習姿勢がある

特に異業種への転職では、常に新しい知識やスキルを学ぶ姿勢が求められます。転職成功する人は、自分に不足しているスキルを積極的に補おうとします。例えば、IT業界に転職するためにプログラミングの基礎を学んだり、マーケティング業界に挑戦するためにデジタルマーケティングのコースを受講したりします。こうしたスキルアップへの努力は、転職先の企業にもポジティブに評価されます。

小売業からの転職にオススメの業界３つ

では小売業からの転職におすすめの業界にはどのようなものがあるのでしょうか。IT業界なども挙げられますが、今回はよりスキルが活かしやすい業界を厳選して３つご紹介します。

人材業界

人材業界は、小売業で培ったコミュニケーション能力や人材育成の経験が活かせる分野です。
例えば、お客様一人ひとりのニーズを聞き出し、適切な商品やサービスを提供する経験は、人材業界で求職者一人ひとりの希望を聞き出し、最適な仕事を紹介する際に非常に役立ちます。また、新入社員の教育や既存社員のスキルアップなど、人材育成に関わった経験は、人材業界で求職者のキャリア相談やスキルアップ支援を行う際に役立ちます。

日本は少子高齢化が進んでおり、労働人口が減少しています。そのため、企業は人材確保に苦労しており、人材紹介や派遣サービスの需要が高まっています。

サービス業（ホテル、飲食業など）

サービス業（ホテル、飲食業など）業界は、顧客対応スキルやマネジメント経験を活かせる分野です。

小売業と同様に、サービス業でもお客様との直接的なやり取りが不可欠です。お客様のニーズを的確に把握し、満足度の高いサービスを提供するためのスキルが求められます。顧客からのクレームやトラブルが発生した場合、迅速かつ適切に対処する能力は、マネジメント職やフロントオフィスでの役割で大いに活かせるでしょう。

日本政府は、訪日外国人旅行者数を増やし、観光立国として経済成長を牽引することを目標としているため、人材ニーズが高いです。

リユース・買取業界

リユース・買取業界は、商品知識、顧客対応スキルやマネジメント経験などを幅広く活かせる分野です。

小売業経験者がなじみやすい市場構造でかつ、成長市場になっています。不況に強い業界と言われており、市場規模は14年連続で成長しています。成長市場のため、入社後のキャリアアップや年収アップも期待ができます。また、物のリユースを通じて、持続可能な社会に貢献できることも魅力の一つです。

小売業での経験を活かせるポジションが豊富です。例えば、商品知識がある人や物に対する専門性を身に着けたい人は、商品管理やバイヤーとして活躍の場があります。顧客対応という点においては、店舗スタッフ、マネジメント職はもちろんですが、IT・テクノロジーを取り入れている企業も多いため、EC運営、カスタマーサポートなどでも活躍の場があります。

リユース分野の伸長は世界的なトレンドです。また、日本の中古品は品質が高いため、海外でも人気です。そのためグローバル進出している企業も多く、直近では円安などの影響も受け、海外への販路を伸ばしている企業もあります。店舗や現地法人を設立している企業も増えており今後の成長が期待されています。

転職成功のための３ステップ

ここまできたら、仕上げに以下の３つのステップを確認、実行しましょう。

STEP1.　自己分析

小売業での自身の経験、実績を棚卸しし、強みを再認識します。同時に課題や弱みについても把握しておくとよいでしょう。自分の興味や適性について洗い出しをしましょう。

STEP2.　業界研究

インターネットや求人サイト、転職エージェントを活用してリサーチし、興味や適性に合った業界を見つけます。業界研究をする際にその業界で必要なスキル、求められるスキルや資格を把握しておきましょう。

STEP3.　履歴書・職務経歴書のブラッシュアップ

履歴書、職務経歴書で、小売り業での経験をどのようにアピールするか、自己PRについて、またそれだけでなく、退職理由、転職理由の伝え方、志望動機やキャリアプランについてなど、面接で何をどのように話すのかといったポイントも整理しておきましょう。

まとめ

転職を考える上で、キャリアコンサルタント、転職アドバイザーに相談することも有効です。あなたの強みや弱みを客観的に分析し、最適なキャリアパスを提案してくれます。

小売業からの転職におすすめの業界をご紹介しました。転職活動は、新たなスタートを切るためのチャンスです。じっくりと自己分析や業界研究、面接対策を行い、自分に合った仕事を見つけてください。この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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＜この記事を書いた人＞

リユース転職　キャリアアドバイザー　山口桃子

リユース企業の元人事。店長として買取の現場に立ち会った経験も多数。2019年よりリユース・買取業界専門の転職支援を開始。これまで多くの買取業界を目指す方のサポートをしてきた。また業界経験者の「よりキャリアを上げていきたいけどどのような方法があるのか」とういった相談も多く、総合的なキャリア支援を行っている。

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