企業インタビュー/国内市場を超えて/越境ECで売上10倍に挑戦!/成功するためのグローバル戦略とは?【ワサビ】Part2
企業インタビューシリーズ/リユース・買取業界専門の転職サービスを行うリユース転職が普段聞くことができない、経営層や人事責任者の方にインタビューを行い、事業の特徴や求める人材について本音でお話を伺います。
第12回は、株式会社ワサビの代表の大久保さん、広報・システムサポート部の間所さん、システム部の山下さんにお話を伺いました。
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リユース転職 山口:
本日は、大阪から中古品を世界へ届けるビジネスで注目を集める株式会社ワサビにお邪魔しています。年間1000件以上の越境ECを輸出サポートするなど、革新的な技術、事業を展開されています。 では、代表取締役の大久保さんにお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
よろしくお願いします。
リユース転職 山口:
早速ですが、株式会社ワサビがどのような事業を行っているのか、詳しくお伺いできればと思います。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
弊社では、リユースと海外のテクノロジーを組み合わせた、新しいITサービスを提供しております。 特に力を入れているのが、「ワサビスイッチ」という越境ECサポートシステムです。 このシステムは、一度商品を登録するだけで、世界中のマーケットにその商品を販売できるという、画期的な仕組みなんです。 例えば、最近では「ジモティ」と連携し、大型商品や総合リユースジャンルも扱えるようになりました。このシステムを活用することで、新たなビジネスチャンスを生み出すことができると思います。
リユース転職 山口:
え!そうなんですか?
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
はい、実はそうなんです。学生時代にオーストラリアに行ったことがあって、また行きたいと思っていて、思い切って会社に相談したら、オーストラリアでSNS用の動画を撮ってくれるならいいよ、ということになりました。
リユース転職 山口:
なるほど、非常に興味深いですね。このシステムを開発されたきっかけは、どのようなものでしょうか?
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
私が以前、古着屋で働いていたときに、リユース商材のような一点ものをデータ化することの大変さを痛感したことがきっかけです。そこで、その課題を解決するために、このシステムを開発しました。
海外、特にアジアでは、日本の中古品、特にブランド品に対する需要が非常に高く、日本の中古品市場は世界でも有数の規模を誇っています。 実際に、いま日本の観光地などにあるリユースショップは9割以上がインバウンド需要です。 今後日本が人口縮小していくことを考えると、海外進出を考えずして、事業拡大はないかなと考えています。
リユース転職 山口:
なるほど。それで越境ECの支援を行っているんですね。大久保さん自身も海外に頻繁に行かれていると思うのですが、どのような理由からですか?
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
そうですね。現地のオーナーさんと連携したり、リユース経済新聞等で海外リユースのコラム執筆もしているので、その関係もあります。 自分しか知らないリユースの知見が溜まってきていると感じますね。
リユース転職 山口:
私もいつもコラムを拝見させていただいています。非常に面白いです。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
実は、海外に行く前は、リユースに関しては海外の方が先進的であるというイメージが強かったのですが、実際に旅をしてみると、こんなに買取専門店やリユースショップがあって、リユースビジネスが発展しているのは日本だけだと気づきました。 世界中どこをみても、中古のブランド品がこんなに沢山あるのは日本だけです。 例えば、フィンランドに行くと、シャネルやエルメスの店舗自体が無かったりしますし。
リユース転職 山口:
え?無いというのは?
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
需要がないので、正規店自体が存在しないんです。
リユース転職 山口:
そうなんですね!驚きました。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
そういう意味では、日本は中古ブランド品の産地とも言えるかもしれません。ブランド品だけでなく、宝石や時計、釣具や工具などのアイテムも海外からの需要が高く、十分ビジネスチャンスがあると言えます。 例えば、インドネシアでは中古品の輸入が制限されているため、中古品の流通には特別な許可が必要になりますが、建機や工具は国の発展に必要なものとして輸入が認められています。 このように、国によって異なる規制に対応しながら、海外市場でのビジネス展開を進めていくことは重要ですね。
リユース転職 山口:
海外市場は、日本とはまた違った面白さがありそうですね。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
そうですね。中古の需要が高くても、リユースショップがない国はまだまだ多いので、日本のリユース企業の海外展開はまだまだチャンスがあると言えますね。
実際に、「ワサビスイッチ」は海外進出している日本の大手リユース企業に使っていただいています。 例えば、ブランド王さんや、セカンドストリートさんなどです。セカンドストリートは台湾から使っていただいていて、店舗数は既に31店舗(取材当時)もあるんですよ。
リユース転職 山口:
「ワサビスイッチ」を実際に海外でも利用できるようになっているんですね?
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
はい、日本だけでなく、英語、中国語、韓国語に対応していて、現地の方にも利用いただけるようになっています。
今後のシステム展開としては、中国で仕入れて、日本を経由せずに直接アメリカに販売するスキームができれば理想的と考えています。
リユース転職 山口:
日本を介さない、ということですね。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
はい。日本に入庫すると税金がかかり、そこから海外に出荷する際の送料も発生するため、直接アメリカへ発送する方が効率的です。非常に面白いアイデアだと考えています。
しかも、いま中国の方が仕入れ価格は圧倒的に安いんです。私たちのシステム内で中国からの商品を仕入れられるようにし、バイヤーがシステム上で商品を検索して購入できるようにしたいと考えています。
リユース転職 山口:
バイヤーが個々のオークションに時間を費やす必要がなくなるので、非常に便利ですね。
海外のリユース事情に詳しい大久保さんだからこそ実現できるシステムだと感じます。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
はい、実際に海外でこれほど多くのECモールと連携し、出品機能が充実しているシステムは他にないと思います。
特に、30以上のECモールに商品を一括出品できる機能はこのシステムの最大の売りと言えます。
従来の方法では、商品一つ一つをECモールの入力画面に登録する必要がありましたが、私たちのシステムでは、カテゴリーを選択するだけで自動的にすべてのモールに商品が登録されます。
また、スマホのカメラで商品を撮影しながらサイズを計測するだけで、簡単に商品情報を登録することも可能です。
リユース転職 山口:
なるほど、スマホで簡単に操作できるのですね。新人の方でも簡単に扱えるのはいいですね。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
はい、まるでメルカリやヤフオクに出品するような感覚で、世界中のECモールに出品できます。
リユース転職 山口:
このシステムを導入することで、業績が大幅に改善された企業はありますか?
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
そうですね。例えば、システム導入によって10倍以上売り上げが向上した企業もあります。作業時間が大幅に削減され、売上は増加し、より戦略的な業務に注力できるようになりました。
リユース転職 山口:
多くの企業で、パートやアルバイトの方々が商品登録などの作業を行っていると思いますが、このシステムを導入すれば、人員を半分に削減できるケースもあるのでしょうか?
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
はい、十分に可能です。
しかし、リユースビジネスは、中古品という一点物をECで販売するという特殊性から、適切なマネジメントが非常に重要であるということも忘れてはいけません。
リユース転職 山口:
つまり、システムだけでなく、人材育成やマネジメントも必要ということですね。
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
その通りです。多くの企業は、出品作業の目標件数や基準値を持っていません。
私たちが最初にコンサルティングを行った企業は、1日に5点しか商品を出品できませんでしたが、適切なマネジメントを行うことで、1日に50点出品できるようになりました。
つまり、システムを使うかどうかに関わらず、「マネジメント」を適切に行うことが越境ECでは重要なんです。
私たちのシステムと適切なマネジメントを組み合わせることで、世界中の30以上のモールに出品が可能になり、ビジネスの幅が大きく広がります。
リユース転職 山口:
なるほど!大久保さん自身は今後、ビジネスを進めるにあたり、どのような人と共にこの事業を推進したいですか?
株式会社ワサビ 代表 大久保さん:
そうですね。私たちは、常に「ワクワクを届けたい」と考えています。
既存のものを模倣するのではなく、新しいものを創出して「すごい」と言ってもらえるようなサービスを提供したいです。
現在、新しいビジネスも積極的に立ち上げているので、社長になりたいというような意欲のある人がいいですね。
リユース転職 山口:
なるほど!貴重なお話ありがとうございました。
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※上記の内容はインタビュー動画Part2,3の内容に基づいています。
動画はこちらからご覧いただけます。